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聖エセルバート王                  記念日 2月24日


 カンタベリーの聖アウグスチノがイギリスに到着したとき、彼はケントのエセルバート王の助けを非常に望んだ。王はキリスト教徒と結婚していたが、自分はまだ異教徒であった。とはいえ親切な王であった。

 アウグスチノとその従者たちを、もしかすると魔法使いではないかと恐れたエゼエルバート王は、彼らを室内に入れなかった。万が一、逃げる場合のことを考えたからである。それでタネット島の野外で会見が行われることになった。アウグスチノと従者たちは銀の十字架とイエズスの姿が描かれた板を持って近づき、自分たちとイギリス人の救霊のために祈った。

 エセルバート王はていねいに言った、「あなた方の言葉と約束は真に立派であるが、私にとっては新しくて異様である。私はそれを受け入れることも出来ないし、全イギリス人が長年信じてきた信仰を棄てることも出来ない。しかしあなた方が遠方から来て、信じていることを私達に教えたいとまじめに望んでいることは分かるので、あなた方に害を加えることはしない。私はあなた方を歓迎し、必要な物は何でも与える。自由に説教してよろしい。あなたがたの宗教に多くの人々が入ることを許す」と。

 エセルバートはその後キリスト教信者になり、彼の臣下も大勢受洗した。その上、近隣の国の君主たちにも信者になるように勧めたりした。
 ロチェスターに聖アンドレアに献げた大聖堂を建て、ロンドンにもいくつかの教会を建てた。教皇グレゴリオ1世は非常に喜んで、エセルバートに多くの贈り物をして、偶像をまつってある神殿を壊すように依頼し、王のよい模範により、国民の道徳のレベルを高めるように勧めた。

 エセルバートは616年に帰天した。改宗後21年目のことであった。